尾道市御調文化会館 Mitsugi Cultural Hall
十字に開くまちのホール
尾道市御調町市にある文化会館の建替え計画。現状の会館よりもコンパクトで、多用途な多目的スペースや会議室を備え、地域住民の文化芸術活動の発表や鑑賞の場となることを目的としている。
さらに、同一敷地内にある既存の御調支所庁舎と調和した意匠とするとともに、施設利用者の利便性を十分に考慮した設計が求められた。
敷地は、国道184号と486号の交差点の角に位置し、周辺には道の駅やコンビニ、銀行や郵便局などの生活機能が集約されており、地元の人にとっては住みやすい町である。
その中で御調の新たなかおとして、地元の人たちが多用途に活用できる施設にするとともに周辺の施設とも連携しながら、新たな結節点となるように、町とも関係を持ちやすい開かれた場を考えた。
計画では、メインである多目的スペースは建物正面に配置して、町に大きく開きながら道の延長にあるような通り土間のような場としている。さらに、十字型のホール形状とすることで複数の分割利用が可能となり、同時に南北の広場と一体活用できる計画となっている。
建物の入口は、御調支所と近い位置に設け、双方の連携を取りやすい計画としている。また、入口と支所の間には小会議室やトイレ、授乳室を計画することで閉館時でも利用しやすいゾーニングとした。
建物を入るとすぐに地域ロビーが見え、多目的スペースへとズルっと連続してつながる。また、ロビーの外形はカーブを描き、外部環境を緩やかに取り入むとともに、吹抜けを介して2階の活動が見え、多くの機能と外部環境が地域ロビーとダイレクトに接していることがわかる。
外観は、正面の二層のホールボリュームをファサードとし、町に対してシンボリックな構えとしながらも、支所へ向けては緩やかに低くなる圧迫感のない屋根としながら、背景の山々とも調和することを意識した。
さらにランドスケープでは、建築内部と一体的に活用できる3つの広場を配置する。それぞれの広場は御調のまちや御調支所、また駐車場から人々を迎え入れるインターフェースとして、閉館時と開館時を問わずまちに開かれる、独立した多機能な広場としても機能する。
これから地元の人たちとの意見交換を交わし、地元のシンボルとなるように設計検討を重ねていく。
所在地 | 尾道市御調町市地内 |
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用途 | 文化施設 |
敷地面積 | 7,348㎡ |
延床面積 | 約900㎡ |
協働 | 中⻄ひろむ建築設計事務所、プフ設計 |
構造 | ⾦箱構造設計事務所 |
外構 | 亀山ランドスケープデザイン事務所 |
電気設備 | ELECTRIC PLANNING SENO |
機械設備 | 谷端設備設計事務所 |
サイン計画 | hokkyok |
完成時期 | 2026年春・予定 |
on going |